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亜麻とリネンに関する動画

極上の質感にもかかわらず、取り扱いが容易なリネンは長い間多くの人に愛されています。愛着のあるものは、それがどのように作られているか、どんな人たちが関わっているのか興味のあるところではないでしょうか?今回は、そんな声にお応えするため、動画を通してリネン作りのプロセスを紹介しましょう。また、ヨーロッパでリネンを作っている会社を紹介する動画によって、登場する人々がどのような情熱を持ってリネン作りに携わっているのか知っていただければと思います。リネン作りの背景をご覧いただきますので、たっぷりとお楽しみください。

リネン作りについて詳しく知るための動画紹介

まずは、リネン作りについて紹介していきましょう。こちらの動画では、亜麻からリネンを作る過程を知ることができます。大きな束にまとめれたフラックスがスカッチングという工程を得て、1本1本の美しい繊維になり、それがリネンになります。なかなか観る機会のないリネン作りの現場を撮影した、こちらの動画をご覧ください。

亜麻からリネンができるまでのプロセス動画

いつも愛用しているリネンがどこから、どのような方法で作られたか、そのプロセスを知りたいと思ったことはありますか?”百聞は一見に如かず”、動画で亜麻からリネンができるまでのプロセスをご紹介しましょう。ぜひ、こちらの動画をご覧ください。

7月、亜麻は可憐な薄紫の花を辺り一面に咲かせます。背丈は1メートル以上になり、満開の花はたった1日、それも午前だけ花開くのです。

実をつけた亜麻は刈り取られ、レッティングと呼ばれる作業に移ります。レッティングでは刈り取った亜麻を大地に寝かせ、2週間ほど太陽や雨露にさらします。このプロセスによって、亜麻を腐らせ、茎のなかの繊維(=フラックス)だけを取り出すことができるのです。この時点で、亜麻は緑色から自然な亜麻色に変わっています。レッティングが終わるとフラックスは大きく束ねられます。

次は、スカッチングというプロセスです。スカッチングは、実際に茎から繊維を取り出す作業のことを指します。加工場では、機械によって繊維がほぐされていきます。固い皮などを取り除き柔らかい繊維になっていくフラックスは、ここでリネンという名称に変わります。

そこから作業する人の手作業によって、ハックリングと呼ばれる作業に移ります。櫛のようなグッズでリネンを梳きながら、長いもの短いものに選別していくのです。

この後は、スピニングというプロセスです。リネンを糸にする欠かせないものであり、水に通して紡績します。リネンをつなぎ合わせている”ペクチン”をコントロールし、丁寧に糸にしていきます。このプロセスによって、スムーズで柔らかい糸になるのです。ウェービング(織り)される前、ボビンに巻かれる糸はその強度に関する実験やカラーの見分け作業がされていきます。

織り機にかける前、各ボビンは綺麗にラックに掛けられます。これらと何十台もの織り機とはリンクされ、完全にコンピュータ化で管理されています。それぞれの織り機は、それぞれに合わせたファンクションによって織られます。全ての織り機は、セントラルコンピュータモニタリングシステムに直結しており、常に確認作業が行なわれているのです。

完成したリネン生地は、ここからは手作業によって最終作業が行われます。メンディングと呼ばれる繕いの作業がされることで、高品質なリネンを完成させるのです。

しかしまだ完成しているわけではなく、ここで最終プロセスに入ります。染め、脱色などですが、ユニークなリネンカラーを作るのにも、科学的な染料でなくすべて自然なものが使われます。脱水されたリネンは、ローリングセクションでそれぞれを商品としての包装作業がされ、消費者に届く準備がされるのです。

ご覧になっていただいた通り、亜麻からリネンができるまではいくつものプロセスがあることが分かりました。コンピュータ化されている部分、手作業の部分を残し、多くの人が関わって、安心して使うことのできるリネンが私たちの手元に届くのです。

ヨーロッパでリネンを作る会社

リネンと言えば、フレンチリネンやアイリッシュリネンなどヨーロッパが有名です。それぞれのリネンには作り手がいて、毎日、誇りを持ってリネン作りをしています。以下の動画から、リネンマスター達のプロフィールや、リネン作りに対する思いをご紹介しましょう。

ポーランド・サフィランのリネン

SAFILINはポーランドで1778年からリネン作りをしている老舗の紡績会社です。

代表のオリバーは、リネン作りにポーランドを選んだ理由として、この国が本物の伝統的なリネンの文化を持ち、それが技術、人的資源そしてノウハウを育てる糧になっていると言います。

グリーンや環境に優しい自然素材への興味は改めて高くなってきています。流行りのトレンドとは言えないけれど、むしろこれが世間の高まりなのです。消費者が親しみのある、自然素材を選ぶ傾向が強くなっています。

リトアニア・カウナスのリネン

リネンと言えば忘れてはならないほど、リトアニアで上質なものが作られています。

カウナスは、創業1873年、高品質なリネンを作るには、サプライヤーとプロデューサーの協力が欠かせないと言います。カウナスの強みは、様々なものに反応する力であり、商品をさらに柔らかくするためにカシミアやウールをリネンと混ぜたり、もっと光沢を出すためにテンセルをリネンに混ぜたりしています。

イタリア・アルビーノリネン

1876年創業のアルビーノは、洗練されたファッションで有名なイタリアにあります。代表のシルヴィオは、イタリアの繊維業界をしっかりと理解することが重要だと言います。

アルビーノはリネンシャツの専門であり、日常的なものから高価なものまで扱い、世界で最高の素材を使っています。洗練されたお客様を考え、品質と創造性はモノ作りに欠かせないと考えています。

イタリア・マケーリオのリネン

イタリアからもう1社、ご紹介しましょう。

1867年創業のマケーリオです。常務取締役アルドは、世界中の高級ホテルにリネンを提供することが自分たちの使命と考えていると話します。

リネンは、とてもエレガントでクラッシックだとホテルは考えています。私にとって、マスターオブリネンはヨーロッパのフラックス繊維であり、マスターオブリネンとは品質を表わします。品質は結果ではなく、スターティングポイントです。仮に投資をしなければ、ヨーロッパの繊維作りに関わる者は他国のライバルとの競争に勝つことはできないのです。

ベルギー・ミューレベーケのリネン

ベルギーは、その気候からもリネンの産地として大変有名です。ミューレベーケは1858年創業です。代表のレイモンドは、リネンを生きる素材と考えます。リサーチと新しく生み出された技術のおかげで、まったく別の繊維を作りだすことに成功しました。

フランス・アルワンのリネン

フレンチリネンのファンは多いでしょう。1835年創業アルワン代表のオリビエによれば、Lemaitre Demeestereこそ専門性と特異性を持ち、太い針でとても厚いリネンを織ることができ、これは古い織り機にだけ可能なことだと話します。

生産から廃棄段階まで追跡できるトレーサビリティによって、このリネンの原点を大切に考えたいと思っています。またリネンを買うことは、市民活動とさえ思っています。

フランス・パリのリネン

PR責任者であり”マスターオブリネン”大使であるピエールは、商品の原点やトレーサビリティを無視することはできないと言います。

私たちは、耐久性と生地の強さを求めます。顧客やデザインスタジオは、しばしばリネンをリクエストしてきますし、創造性と品質の確固たる保証も求めています。

ヨーロッパのリネンだと言うたびに、その高品質は保証されるのです。

ポルトガル・バルセロスのリネン

ポルトガルのバルセロスは、リネン製造のスペシャリストです。

ゼネラルマネージャーのジョアンは、バルセロスはジャージーニット、フリースなど他と違うニット製品を作っていると話します。消費者はなんでも良いと言う購買行動はもうしない、高品質なものを求めています。そうしてリネンを選ぶのです。

フランス・マジェスティックのリネン

ローランドはマジェスティックの代表であり、リネンの素晴らしさはとても柔らかいこと、ざらざらしていないこと、モダンで明るい色にあると考えます。常にリサーチをし、その着心地などで人々を驚かせます。

ヨーロッパの糸を使い、多くのプロセスを得て作られるリネンは素晴らしいものを作りだします。ノウハウ、本物の歴史があること、これらすべてが欠かせないのです。

亜麻からリネンになるプロセスの解説動画一覧

最後に、亜麻がリネンになるまで、プロセス別の動画をご紹介します。

リネンのレッティングについて

収穫した亜麻を束ね、水に浸します。茎を柔らかくし、なかの繊維を取り出しやすくする作業です。

リネンの種から繊維になるまで

亜麻の種を4月ごろに撒いてから、各プロセスを得て繊維になるまでを紹介した動画です。男性が手間暇かけて伝統的な方法で繊維を作るまでを紹介しています。

亜麻とリネンに関する話

デボラがアメリカから、18世紀に行なわれていた昔ながらのリネン作りの方法を紹介しています。

亜麻からリネンになるプロセスの紹介

19世紀当時のリネン作りを、男性が再現した動画です。

リネン作りについて、たくさんの動画を紹介いたしました。ヨーロッパの作り手の顔を見られ、リネンへの愛着が増したのではないでしょうか?進化を遂げつつも環境に常に優しいリネンは、誇りをもってリネンに携わる人々、そして多くのリネンファンを魅了し続けることは間違いなさそうです。