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刺繍とリネン〜リネン生地の選び方と楽しみ方〜

リネン生地は吸水性、速乾性に優れ、天然繊維の中でも大変丈夫で、衣類やテーブルウェア、ベッドリネンの素材としても人気の素材です。ハンドメイド好きな方なら、このリネン生地に刺繍を施すと自分だけのアイテムとしてますます愛着が湧くはず。昔からヨーロッパではリネンにイニシャルを刺繍して嫁入り道具として持っていく文化があったくらい、刺繍とは相性の良い素材です。そこで今回の記事ではリネンで刺繍を楽しむ方法、どんな生地が刺繍しやすいか、生地の選び方から刺繍の仕方までまとめてご紹介します。

刺繍を楽しむために

そもそも刺繍とは布に糸を紡いでいくものです。そのため、布であればどんなものにも刺繍は可能です。しかし、刺繍をしやすい生地を選ばないで刺繍をしてしまうと、模様がきれいに表現されなかったり、刺繍が浮いてしまいます。そのため、刺繍をするのが初めての方や、慣れていない方にとっては刺繍のしやすい記事を選択することはとても大事です。それを踏まえて、リネンで刺繍を楽しむにはまず刺繍をしやすい生地の条件を知ることが重要となります。この項目では刺繍しやすい生地の条件や、リネン生地の特徴をまとめています。刺繍しやすい布を知っておけば、リネン以外の生地にも応用がきくので是非参考にしてください。

刺繍しやすい生地の条件は?

刺繍しやすい生地の条件は「厚すぎたり、薄すぎたりしないこと」「布目が詰まっていること」「伸び縮みしないこと」これを基準にして生地を選ぶようにするのが良いでしょう。

では一つ一つのポイントをみていきましょう。まず「厚すぎたり、薄すぎたりしないこと」選んだ布地が厚すぎてしまうと、刺繍針を入れる際に余計な力を使って時間がかかる上に、力のない方は指や手首を痛めてしまうかもしれません。また、薄すぎる布の場合は刺繍がしにくく、綺麗な線が出なかったり糸がつったりするため、おすすめはできません。

2つ目は「布目が詰まっていること」。布目が詰まっていると刺繍がしやすいためです。布目がガタついていたり、目が粗い布も売られていますので、実際に手に取ってみるか刺繍布としておすすめされている布を購入するのがおすすめです。 また、折りが均一であるかもチェックしておくと良いでしょう。

最後に「伸び縮みしないこと」。ストレッチ素材の布地など、伸び縮みするものは刺繍がしにくいです。これは刺繍枠を張る時に布が伸びてしまい、刺繍後刺繍枠を取ってみると今度は布が縮み、刺繍が浮いてしまうことがあるからです。

刺繍をする際のリネン生地の選び方

リネン生地の中でも刺繍をしやすい生地を選ぶためには「布目が詰まっているかどうかをチェック」「布の厚みが均一かつ適切かどうか」「伸び縮みをしないか」が見るべきところです。もちろん布であれば刺繍を施すことは可能です。しかし、上記の条件を満たしていないリネン生地は思ったような刺繍が出来ないかもしれません。それだけ、刺繍の生地選びは大切なのです。ここからは失敗しないリネン生地の選び方をご紹介したいと思います。お気に入りのリネン生地探しに役立ててください。

目が詰まっているかどうかチェック

刺繍がしやすいリネン生地は布目が綺麗で目がつまっているものです。布を購入する時に手軽な値段であれば嬉しいですが、値段によっては目が粗いものがあります。

安いから、と買ってしまうと後悔する場合もありますから、布は出来るだけ自分の目で見て確かめてから購入するようにしましょう。また、織も均一であると刺繍がしやすいため、こちらもチェックしておくといいと思います。

布の厚さが適切かチェック

布の厚さは布選びの中でも重要です。布が厚すぎても薄すぎても、刺繍がしにくく、綺麗な模様が出来ません。一番いいのは何を作るのか明確にし、適した厚さの布を探すこと。そのためにも、布を自分で触ってみることをおすすめします。

また、リネンの生地で薄いけどお気に入りのものを見つけてしまい、どうしてもこの布に刺繍がしたい!ということもあるかもしれません。そんな時は接着芯を使うなどすると綺麗に刺繍を入れることができますよ。接着芯とは布を補強するためのものです。薄い布や目の粗い布は、この接着芯を布裏に貼り付けることで刺繍の仕上がりが良くなります。その他にも、自宅にあるリネン生地をリメイクして使いたい際には、接着芯を活用すると良いでしょう。

伸び縮みしないものを選択

布地には伸び縮みするものとそうでないものがあります。刺繍しやすい生地は伸び縮みしないものです。

というのも伸びやすい生地は刺繍枠を張って刺繍をしている最中は、見栄えよく出来ているのですが、完成後刺繍枠を外すと途端に布が縮んでしまい、思った模様にならないのです。それ以外にも刺繍がモコッと浮いた状態になってしまいます。このような失敗を避けるためにも伸び縮みしないリネン生地を選ぶのが良いでしょう。

リネン生地に刺繍をする

刺繍初心者でも比較的簡単に刺せるのが「クロスステッチ」刺し方はクロスに刺していくだけです。

リネン生地への「クロスステッチ」のやり方は

l  刺し始め 玉結びをせず、布の表に5センチほど出しておいてから刺繍を始めます。

l  針の進め方 布目2目×2目でクロスステッチ1目になります。 横に刺していくステッチは左から右へ。上下に刺していくステッチは上から下へ進みましょう。こうすることで裏側の糸が垂直の線になり、仕上がりが綺麗です。

l  刺し終わり 裏で糸がぐちゃぐちゃになり表に影響が出るため、玉結びはしません。糸の端を裏の垂直の線に4〜5回ほどくぐらせて完成となります。

まとめ

リネンに刺繍をする場合の生地選びは、布目が詰まっていること、布の厚さが均等であること、 布が伸びたり縮んだりしすぎないことが大切です。このポイントさえ押さえておけば、生地選びは難しいことではありません。元々リネンは油絵のキャンバスに利用されるくらい布目を詰めた生地もできますし、厚さも適度な物が多く、何よりもその光沢や美しさから刺繍に向いている素材と言えるでしょう。お気に入りのリネン生地を選んだら、あなた好みの色とりどりの刺繍糸で飾ってみましょう。もちろん、自宅にあるリネン生地を使用して刺繍をしてもOK。その場合、刺繍布として不安があるなら、接着芯を使うなど補強をしてから刺繍を施すと良いでしょう。

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