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リネン生地の特徴・特性

リネンは亜麻の茎の繊維を原料として作られた繊維で、肌馴染みがよくてナチュラルな雰囲気が楽しめることで人気の素材です。機能性が高いところも魅力で、洋服や生活雑貨など、私たちの暮らしの中で幅広く使用されています。そこで、リネン生地の良さをさらに理解するためにも、特徴や性質などを詳しくご紹介します。

リネン生地の性質

リネン生地は主に機能性(耐久性や吸水性など)、質感(光沢や使い古したときの質感など)、文化(古くから高貴なものとして扱われている歴史や、王室御用達等の伝統)によって評価されます。多くの化学繊維が登場している現代においても、これらの要素をまんべんなく満たす繊維はリネン以外には無いのではないでしょうか。本記事では、主にリネンの生地の機能性や質感について触れていきたいと思います。

吸水性や速乾性に優れている

リネン生地は水分を素早く発散してくれるという特性を持ち、その吸水性は、コットンと比べると4倍もあります。

さらに、発散性にも優れているので、水分を素早く吸い取って早く乾いてくれるのです。肌に密着せずにサラッとした爽やかな肌触りが実感できるため、夏場などの汗ばむ季節でも快適に過ごせます。洗濯をしても自然乾燥ですぐに乾いてくれるのすぐに使うことができます。嫌なニオイを抑制してくれることもあり、暑い夏を快適に過ごすためには最適な素材で、夏服やパジャマ、シーツ、枕カバーなど、さまざまな形で取り入れられています。

耐久性に優れており、丈夫で長持ち

リネンの繊維は腰が強く、コットンの2倍もの強度があるため、耐久性に優れています。細かい構造で形成されているので引っ張る力が強くて伸びにくく、特に水に濡れると強度が増すという特性があり、生地の傷みが気になる洗濯も気兼ねなく毎日繰り返すことができて丈夫で長持ちします。

特に夏の時期は、清潔に使うためにも洗濯を頻繁に行わなければいけません。リネン素材が使用されているものであれば、どんなに洗濯しても生地に負担が掛かりにくいので、常に清潔感を保つことができて、アレルギーなどのトラブルが回避できるというのはうれしい点です。また、リネンは水分を吸うと膨張して繊維が密着するので、水を浸透させないという性質から防水の役目も果たしてくれます。上記の優れた特徴からリネンはテントや帆布などにも利用されています。天然繊維の中でも最も丈夫で長持ちしてくれる素材と言われていますから、衣料品だけでなく暮らしの中で幅広く使用するのに適しています。

汚れがつきにくく、落としやすい

リネンの繊維に含まれているペクチンという成分には、繊維をコーティングして汚れが染み込むのを抑制してくれるという性質があり、汚れをつきにくく、そして落ちやすくしてくれます。

リネン素材を触ってみると毛羽立ちが少なくて滑らかな感触なのは、ペクチンが働いてくれるからです。これは、ペクチンが表面をコーティングしてくれることで、繊維の毛羽立ちを防いでくれるという特徴があるからです。また、リネンには天然の抗菌性があるとも言われているので、衛生的で清潔を保ちやすい素材です。衣類などのファッションアイテムだけでなく、タオルやシーツ、キッチンクロス、インテリアのファブリックなど幅広く取り入れられているのは、汚れが落ちやすくて清潔を保てるという特性があるからです。

リネンの特徴

機能性に優れているリネン生地は、使用を続けることでさらに変化が実感できます。風合いや発色の変化など、心地よい感触を与えてくれるリネン生地は、年間を通して快適に使えるところも特徴です。

リネンは色彩が魅力

リネン生地は自然な風合いが特徴的ですが、ナチュラルな色彩も魅力の1つとなっています。

リネン生地の色彩は、漂白や脱色をして作られた色ではありません。亜麻本来の色は生産地や気候などさまざま条件によって異なります。例えば、生成りというナチュラルでシンプルなリネン生地は、発色がとても良い素材であり、使用していくうちに色彩が何通りにも変化していきます。使ってから10年後が最も美しい、とも言われているリネンは、色彩の変化を楽しめるのも醍醐味の1つとなっています。

使えば使うほど柔らかくなる

リネンを使い始めの頃は、生地の表面がボコボコしていて、優しい感触とは異なる違和感を感じる人もいるかもしれません。ところが、リネン生地は使い込むことで柔らかさも増してくるため、使えば使うほど柔らかく変化していきます。洗濯を重ねて使い込んで、手に馴染んできたリネン生地を素肌に直接触れてみると、使い始めの頃とは違い、柔らかくて心地よい感触に変わっていることにきっと驚くはずです。

独特のしなやかさやサラッとした肌触りの亜麻が原料のリネンは、使うほどに柔らかくなり、長く愛用することで魅力が増していく素材です。

どの季節でも着やすい

リネンの繊維は寒い冬には体温で温まった空気を包み込んでくれます。また、こもった熱を外部に逃がしてくれるという特徴があるため、汗ばむ夏の季節でもサラッと快適に過ごすことができます。

自動的に温度調節をしてくれるサーモスタットのような性質があるリネン生地は、通気と保温をバランス良く保ってくれるため、どの季節でも着やすい素材です。四季に関係なく1年中快適に使えるため、暮らしの中のあらゆるアイテムの使用に適しています。

参考:なぜリネンは夏に適しているのか

リネンの短所

年間を通して快適に過ごせる素材として、幅広い形で使用されているリネン素材ですが、デメリットもあります。リネンの特徴としてデメリットもしっかりと理解しておけば、さらに心地良いリネン生活が過ごせます。

リネンのしわはとれにくい

リネン繊維は伸び縮みしないのでしわができやすく、ついてしまったしわが取れにくいというデメリットがあります。

そのような性質から、洗濯する時には気をつける必要があります。リネン生地は耐久性に優れていて丈夫なため、洗濯するときには通常のコースで洗いがちです。ただ、通常コースは脱水時間が長く、長時間の脱水は生地にしわを作ってしまい、伸ばすだけではしわをとることができません。そのため、脱水時間が短いコースを選ぶことが大切です。速乾性に優れているので、夏場であれば、脱水をしなくても短時間で乾いてくれます。ついてしまったしわを伸ばすためにはアイロンが必要ですが、リネン自体の重さで少しずつシワが伸びてきますし、ファッションとしてしわを楽しみながら着こなす方法もあります。

洗濯の際に縮む可能性がある

リネン繊維は水に濡れると引き締まる性質があるため、洗濯をすると縮んでしまう可能性があります。特に、リネン100%の生地は、縮みやすい繊維として知られているコットンの3倍以上も縮む割合が高いのです。

できるだけ縮まないようにするためには洗濯する時に工夫が必要です。リネン繊維は水温が高いと縮む可能性が高くなってしまうため、水温30℃以下の水を使いましょう。お風呂の残り湯を使用する場合には、お湯が冷めていることをしっかりと確認してから使ってください。そして、乾燥機は生地が縮む原因となりますし、型崩れを起こす可能性もあるためなるべく使用しないことです。リネン素材は乾きが早いので、乾燥機を使用しなくても自然乾燥で十分です。

参考:リネン生地の取り扱い注意点

まとめ

亜麻の茎の繊維が原料のリネンは、麻の中でも柔らかくて肌に優しいところが特徴です。吸水性や速乾性、耐久性に優れていて丈夫で長持ち、汚れがつきにくいという性質があるので、洗濯も比較的に簡単なリネン。使えば使うほどに柔らかくなり色彩の変化を楽しめるところも魅力の、年間を通して快適に使える素材です。高品質で高機能のリネン生地を、洋服だけに使うのはもったいないと思いませんか?キッチンやベッドルーム、生活雑貨やインテリアファブリックなど、さまざまな形で取り入れて、リネンの優しい風合いを楽しんでみましょう。