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リネン生地の洗濯の仕方〜シワや色あせを防ぐ方法〜

キッチンクロスや夏服の定番素材であるリネン。その生地は丈夫で長持ちすると評判ですが、洗濯などのお手入れを間違えると、シワや色あせといったトラブルを引き起こします。素敵なリネンと上手に付きあうためにも、正しい洗濯を心がけたいものですね。こちらの記事では、リネン生地を洗濯する際のポイントを解説いたします。きれいなリネン製品と末永く付きあうためにも、しっかり覚えてみてください。

リネン生地の特徴

リネン生地の洗濯を学ぶ前に、まずはリネンの特徴についておさらいしておきましょう。夏場の洋服やキッチン用品の定番として有名なリネンは、なぜその地位を確立したのでしょうか。そのカギはリネンが持つ特性にあります。

リネン生地は吸湿性と耐久性が高い

リネンが夏場に重宝される理由は、なんといっても吸湿性の高さからです。シルク(絹)やコットン(綿)といった他の身近な生地と比べると格段に水を吸いやすく、綿と比較すると4倍の差があるともいわれています。

真夏は汗をかきやすいため、吸湿性に優れて常にサラッとした肌触りを維持するリネン生地が夏服にピッタリなんです。水気を拭きとるキッチンタオルにリネンが選ばれやすいのも、同じ理由から。リネン製品は他にもハンカチやキッチンクロスでも高い人気を誇っています。

リネン生地が持つもうひとつの長所に、高い耐久性があります。亜麻という植物の繊維から作られるリネンはとても頑丈で、水に濡れるとむしろ強度が増す特性を持っています。綿の2倍、コットンの4倍の強度を誇るリネンは何度洗濯してもくたびれにくく、とても長持ちしやすい生地といえるでしょう。「リネンは使い始めてから10年目が最も美しい」と評する人もいるぐらいです。

リネン生地は洗濯でシワになりやすいので注意

先ほど「リネンは洗濯に強い」と解説いたしました。しかし、洗濯のやり方を間違えると、さまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。

リネンの洗濯トラブルで特に頭を悩まされるものは、シワのなりやすさと、とれにくさです。気を遣わず雑に取り扱えば、シワがとれないという事態に及ぶ可能性もあります。

しかも生地の丈夫さが裏目に出てしまい、一度シワになってしまうとアイロンで必死に伸ばしてもなかなか戻ってくれません。長所と短所は表裏一体というわけです。色あせトラブルもよく発生します。リネンの原料である亜麻の繊維は、染料を内部までとりこみきらない性質を抱えています。そのため、ちょっとしたことですぐ色あせしてしまうのです。

参考:リネン生地の特徴・特性

リネン生地の洗濯の仕方

それではリネン生地の上手な洗濯の仕方についてご説明していきます。リネンはシワになりやすいとお話してきましたが、本来リネンは洗濯に強く、ちょっとしたことでは弱らない丈夫な生地です。正しい洗濯のコツを理解して取り扱えば、しっかり長持ちしてくれます。

リネン生地を洗濯する際に注意すべき点は?

まず、リネン製品は洗濯機OKのものが一般的です。手洗いが一番との意見もありますが、基本的には必要ありません。しかし念のため、洗濯前には付属のタグを見てどんな洗い方を推奨しているか、確認しておくのが無難でしょう。洗濯機で洗える場合でも、すぐに洗濯機へほうりこむのはNG。その前に目に見える汚れがないかをチェックし、あるならば酸素系の漂白剤をもみこんでください。このひと手間で汚れがきれいに落ちてくれます。

基本的には単洗いを推奨しますが、他のものと一緒に選択する場合は下処理が終わったら裏返しにしてから畳んで洗濯ネットに入れましょう。裏返しにするのは汗や皮膚の汚れを表にするため、畳んで洗濯ネットに入れるのは生地の縮みを防ぐためです。リネンは比較的縮みやすい素材ですので、ちょっと面倒でも対策しておきたいポイントといえます。

洗濯時間はなるべく短めに。リネンは汚れが落ちやすいので、長く洗う必要はありません。時間は短く、そして優しく洗ってあげましょう。もし洗濯機が使えないリネン製品ならば、手洗いで丁寧に汚れを落としていく必要があります。その場合はタライやバケツに水と洗剤を張り、洗い物をつけこんだら両手で押したり離したりを20回から30回ほど繰り返して洗います。

リネン生地を洗濯する際の水や洗剤に関して

リネン生地を洗濯する時は、水や洗剤にもこだわるとよりきれいな仕上がりが期待できます。

水で重要なポイントは温度。ぬるま湯以下の温度で洗うのがベストです。リネンは高温のお湯に浸けると縮んでしまうので、手を入れても心地よいか少し冷たいと感じる程度の水温で洗いましょう。目安は30℃より下です。洗剤は中性洗剤がオススメです。生地に与える負担が他の洗剤より少なく、リネンの悩みどころである色あせを最小限に食い止めてくれます。

リネン生地を乾燥させる際の注意点

リネンは洗った後の乾燥をどうおこなうかで、仕上がりが大きく変わってきます。「せっかく上手に洗えたのに、乾燥を適当にしたせいでシワができた!」なんてことがないよう、乾燥まで気を遣ってリネンと接してあげましょう。

リネン生地の干し方

リネン製品を洗い終わったら、脱水せずに干してしまいます。(もしくは極力、脱水時間の短いコースを選択しましょう。)洗濯機の脱水機能でしっかり水気を切ってから干したいかもしれませんが、長い時間の脱水はシワの原因になります。脱水の過程で生地が押し潰されてしまい、そのままシワが定着してしまうからです。

シワを防ぐ1つの手段として有力な方法が水が滴るほどにビショ濡れのまま干す「濡れ干し」です。水の重みで生地が伸びるため、シワができにくくなると言われています。 どうしても水濡れが気になるとしても、絞るのは避けた方が無難です。

また、濡れ干しだけではシワがなくなるか不安という方は、平たいところに置いて手で押し出すなど、シワを作らない方法で余計な水分を落としてから干してください。ちなみに干す場所は日陰です。陽射しを当てると乾きやすい一方、リネンだと色あせを促進する可能性があります。

リネン生地のシワを取る方法

リネンはとてもシワができやすい素材です。細心の注意を払ったにも関わらず、どうしてもシワになってしまうことがあります。

目立つシワができた時は、乾ききる前にアイロンを当てるときれいにシワがなくなります。リネンは乾くタイミングでシワが定着しますので、その前にアイロンがけしてシワを予防しましょう。

もしシワに気づいたのが乾いた後でしたら、霧吹きでしっかり水分を与えてからアイロンをかけます。この時、アイロンの温度を高めに設定しておくのを忘れないように。アイロンをかける時のポイントは、シワを伸ばすイメージで一直線にまっすぐ動かすことです。シワを潰そうと円を描くように動かすと逆にシワが残りやすくなります。アイロンの往復もシワをつける原因ですので、まっすぐ動かしたら一回アイロンを浮かして手元に戻し、また一直線に動かすようにしましょう。

参考:リネン生地の正しいアイロンのかけかた

まとめ

リネンは正しいお手入れをしてあげれば、長持ちする生地です。「シワができやすいから」「色あせすると大変だから」といった理由でリネン製品を避ける意見もありますが、いずれも丁寧に扱えば予防できるトラブルばかりです。リネン製品をお持ちの方は、この記事でご紹介しました洗濯のコツを取り入れて、是非末永く愛用してあげてください。手をかけ続けたリネンの洋服やタオルは、数年後には「愛着」という魅力を備えて、ますます素敵に生活を彩ってくれることでしょう。