
オメガ3は「必須脂肪酸」とも呼ばれ、人が体内で生成できないものです。体内で生成できないということは、普段の食事から摂取する必要があるということ。しかし現代人はこのオメガ3が不足しがちなのです。そこで今回の記事ではどうしてオメガ3が不足してしまうのか、不足してしまうと体にどのような影響が出るのか、またオメガ3を不足させないためにはどのような食品を摂取すれば良いのか、まとめてみました。
オメガ3が不足すると体に影響がある?
現代人にはオメガ3が不足していると書きましたが、それでは不足している状態だと人の体になにか悪影響があるのでしょうか。実はオメガ3が不足すると血流が悪くなり、それが原因で動脈硬化などのリスクが高まります。それだけではなく、脳や神経系に影響を及ぼし、皮膚などの見た目にもその影響が現れるようになります。この項目ではオメガ3が不足した場合にどのような影響があるのかご紹介します。
血流が悪くなり、動脈硬化などのリスク
オメガ3が不足した状態が続くと、血液がドロドロになり、血管の壁にくっ付いた脂肪のせいで血液の流れが滞るようになります。それ以外にも血管を若々しく保つことができなくなり、動脈硬化が進んでしまうなどのリスクが高まります。
オメガ3の不足は高血圧を招いたり、不整脈、生活習慣病になる恐れも。
これらは防ぐためにも、オメガ3を摂り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。
脳や神経・皮膚に悪影響
オメガ3に分類されるEPA、DHAは脳や神経、皮膚を健やかに保つための大切な成分です。
不足してしまうと脳の主要脂肪酸が摂取できなくなるため、脳の働きが悪くなり神経細胞が衰える可能性が考えられます。
オメガ3が不足すると皮膚が乾燥、アトピーなどの皮膚疾患は悪化する場合もあり、その他にも抜け毛など深刻な問題が起こることも。健康な細胞膜を作り弾力のある美肌を保つため、また、認知症やアルツハイマーの予防のためにもオメガ3の摂取をおすすめします。
オメガ3が不足する理由は?
オメガ3が不足すると体に悪影響が出ることは分かりましたが、ではどうしてオメガ3脂肪酸は不足してしまうのでしょうか。オメガ3は不飽和脂肪酸という脂質の一成分です。他にオメガ6が同じ不飽和脂肪酸なのですが、このオメガ6は毎日の食事を欠かさずしていれば不足することがありません。きちんと食事をしているつもりでも、摂れていないのがオメガ3です。その理由は体内で作ることができない、オメガ3を摂取できる食品が限られることです。
体内で生成できない
オメガ3が不足してしまう理由の一つが体内で生成できないことです。これはオメガ3だけではなく、オメガ6もそうです。
不飽和脂肪酸自体が体内では合成できず、日々の食事から摂り入れなければならない「必須脂肪酸」と呼ばれています。
しかし、オメガ6は普段の生活でも十分摂取できているにも関わらず、オメガ3は不足しているのです。このようにオメガ6は過剰摂取、オメガ3は不足という脂肪酸のバランスが崩れることで、アレルギーや生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
オメガ3を摂取できる食品が限られる
オメガ3が不足する理由のもう一つが摂取できる食品が限られることです。同じ不飽和脂肪酸のオメガ6は、普段の食事や、外食、コンビニの弁当からでも摂取ができるのですが、オメガ3はそうもいきません。
というのもオメガ3を多く含む食物で馴染みのあるものは青魚なのですが、肉料理を好んで食べる現代人の食卓に魚料理が上がる機会が激減しているのです。
魚好きでなければ毎日の食事に魚料理を食べるというのはなかなか難しい…こうした魚離れが深刻なオメガ3不足を生んでいます。
オメガ3を不足させないためには
オメガ3は私たちの体の中では生成することができません。では、どのようにして体内に摂り入れれば良いのでしょうか。それはオメガ3を豊富に含む食品を摂取すること。
しかし先述した通り、オメガ3を豊富に含んでいて私たちの身近にある食物は青魚です。魚が好きな方なら苦もなく毎日でも食べられるかもしれませんが、そうでない場合は毎日魚を食べるというのは容易ではありません。そこでこちらの項目では魚以外にも、他の方法でのオメガ3の摂取方法をご紹介したいと思います。
青魚や亜麻仁油を摂取する
オメガ3は脂身の魚に多く含まれます。例えば、サケ、マグロ、マス、イワシ、サンマなどです。しかし、必須脂肪酸であるオメガ3は日々摂取する必要があるので、何日間も魚を食べないという暮らしを続けていると、当然オメガ3は不足してしまいます。
この青魚の代わりとなるのが、亜麻仁油やえごま油といった植物性の食用油です。
l 亜麻仁油 亜麻という植物の種子を絞ったもの
l えごま油 シソ科の一年草の種子を絞ったもの
亜麻仁油やえごま油は青魚を食べた時と同じようにオメガ3を摂取することができます。しかも、1日に必要な摂取量は小さじ1程度なので、魚が苦手であまり食べないという方にも手軽に摂取して頂けます。
オメガ3を含む食品の食べ方を工夫する
オメガ3は熱に弱く、酸化しやすい特徴があります。
青魚を焼いて表面が焦げたけど…という場合、オメガ3はうまく摂取できないのではと心配になるかもしれませんが、内部の脂肪酸には影響がないのでそのまま食べられます。
煮魚ならほとんど影響なくオメガ3を摂取できます。また、オメガ3を含む亜麻仁油やえごま油はそのままの状態でスプーンに取り飲んで頂けます。もしもそのまま飲むことに抵抗があれば、納豆やサラダにかけて食べることをおすすめします。または、味噌汁やスープなどに入れて飲んでも大丈夫です。ただし、亜麻仁油やえごま油は酸化しやすいため、熱する必要のある調理油として使用するのはやめましょう。
まとめ
オメガ3が不足しがちな理由は現代人の食生活が関係していました。同じ不飽和脂肪酸であるオメガ6は外食やコンビニの弁当でも補えるのに対し、オメガ3は限られた食品にしか含まれていません。その食品である魚は食卓に上がる機会がグンと減っているため、私たち現代人の体はオメガ6を過剰摂取気味、オメガ3は不足気味となってしまうのです。
この2つのバランスが崩れることでアレルギーや、高血圧、動脈硬化など様々な影響が出てしまいます。これらを予防するため、オメガ6とのバランスを保つためにもオメガ3を積極的に摂るようにしましょう。そのためには、魚料理を含む正しくバランスの取れた食事が大切になります。もし、魚料理が苦手だったり、そんなに沢山の魚料理が食べられない場合は亜麻仁油やえごま油などで補っていくと良いでしょう。亜麻仁油やえごま油はそのまま飲むか、他の料理にかけて食べるなど工夫すれば手軽にオメガ3を補うことができるので、積極的に摂り入れましょう。