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亜麻仁油は酸化に注意!

亜麻仁油は1日小さじ1杯ほど毎日取り入れることで、大きな健康効果を得られます。私たちの体に必要であるにもかかわらず体内でつくることのできないオメガ3系の必須脂肪酸など優れた栄養成分が亜麻仁油に含まれているためです。特徴や副作用を理解し、亜麻仁油を安全においしく食べるための解説をします。

亜麻仁油の効果・効能

健康食品の摂取を考えるときは、その効果だけでなく安全面にも注意することが重要です。亜麻仁油の効果と副作用について紹介しましょう。

亜麻仁油の効果を再確認

亜麻仁油には優れた特徴があり、健康志向が高まるなか注目されています。しかし、摂り方を間違えるとなんらかの副作用が引き起こされる可能性があります。まず、亜麻仁油の効果を今一度、確認します。

亜麻仁油の効果とは?

亜麻の種から抽出する亜麻仁油には、自然の恵みがたっぷり含まれています。体に良いと言われるその理由をみてみましょう。※効果には個人差があることをご了承ください。体が正常に機能するために約20種類ほどの脂肪酸があります。そのなかで、オメガ3とオメガ6は体内でつくることができず食べ物で摂取する必要があります。現代人はオメガ6は十分摂っていますが、問題なのはオメガ3のほうです。肉中心で魚(特に青魚)離れの食事が主流になった理由から摂取量が減少しています。

オメガ3の摂取によって、脳細胞の活性化、メタボリックシンドローム予防、免疫力向上などの効果が期待できます。亜麻仁油は、体に不可欠なオメガ3系のa-リノレン酸を約60%も含んでいるのです。

解説:亜麻仁油の効果について詳しく解説

S.ハリス博士らオレゴン・ヘルス・サイエンスの研究チームが行った実験では面白い結果がでており、鮭から取ったともにオメガ3脂肪酸であるEPAとDHAの多い食事を与えられた血液中の中性脂肪が、紅花油やとうもろこし油といったオメガ6の脂肪酸の場合よりはるかに下がったとの報告がありました。同じ脂肪酸でも体に与える影響が異なるという実験になっており、この実験結果からもオメガ3が体に好影響を与えることが分かります。さて、亜麻仁油を摂ることで期待できる健康効果は素晴らしいものだと分かりました。それでは、安全のために副作用を理解しましょう。

亜麻仁油の副作用

亜麻仁油の副作用とは?

亜麻仁油の副作用として考えられるのは、豊富に含まれるa-リノレン酸の「酸化」による悪影響が一番大きいでしょう。油の酸化による体への悪影響については、多くのメディアで取り上げられています。油の酸化とは、空気中の酸素や熱・光などによる”油の劣化”を言います。新鮮でない油はその味が悪くなるだけでなく、栄養価も低下します。しかし油の酸化で考えるべきものは、体に及ぼす悪い影響がある点だと言えるでしょう。酸化する過程で「過酸化脂質」という物質が生成されます。

副作用はa-リノレン酸の「酸化」による悪影響です。過酸した脂質を分解できる臓器は肝臓のみであるため負担がかかり、肝機能障害点脂肪肝を引き起こす原因になります。

「劣化油の毒性」について国立予防衛生研究所食品衛生部でも指摘されており、劣化した食用油脂の重大な問題の指摘、さまざまな研究と結果をみることができます。亜麻仁油に含まれるa-リノレン酸は、熱や光、空気で酸化が進む特徴があります。このような理由から、酸化によって劣化した亜麻仁油を大量に食すると体内に吸収された結果、細胞の機能に異常をきたす、また脳細胞死を引き起こすことから認知症発症のリスクも考えられます。

亜麻仁油は特に酸化しやすい性質があります。酸化した亜麻仁油を大量に摂れば健康被害になりえることもあります。更に、他の副作用についても解説します。

亜麻仁油は下痢の症状を引き起こす可能性がある

健康のために亜麻仁油をとり始めたら、お腹がゆるくなったという話があります。

また亜麻仁油がダイエットに良いと聞き、女性がダイエットの目的で使用量を超えて摂取することもあるようです。亜麻仁油を摂取する際には適量を守るように注意することが重要です。また、亜麻仁油を摂取する際には同時に水を摂取することもおすすめです。

亜麻仁油を摂取する際の注意点

亜麻仁油の酸化、そして体への悪影響のリスクを避けるために2点注意点があります。安全においしく食べるために、ぜひご参考にしてください。

酸化や熱に弱い点を理解する

亜麻仁油に含まれるa-リノレン酸は、熱や光、空気で非常に酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。これは、厚生労働省「e-ヘルスネット」の不飽和脂肪酸のページにも書かれています。

まず酸化に対する対処ですが、以下2点に注意します。

・開封後はなるべく早く使い切る:空気に触れると酸化が起こります。開封した亜麻仁油を長く放置すればそれだけ酸化が進みます。新鮮な亜麻仁油を食べるためには、開封後1ヶ月を目安に使い切りましょう。

・保管場所を意識する:開封前の亜麻仁油は、直射日光を避けるため冷暗所で保管します。一旦開封したら、その後は密封した状態で冷蔵庫で保管しましょう。購入時に、商品パッケージに載っている保管方法をぜひお読みください。

次に亜麻仁油の食べ方ですが、熱に弱いため加熱に向いていません。

逆に言えば、非加熱で食べると健康効果が期待できます。ドレッシング感覚で使ったり、野菜や魚にエキストラバージンオイルのような感じでかけたりするのがおすすめです。スプーンで直接食べる人もいます。亜麻仁油は食べるときも保管するときも、新鮮というポイントを意識することでおいしく、よりよい健康効果を得られるのです。

亜麻仁油の摂取量に注意する

体によいからといって、摂りすぎはどんなものでも逆効果になります。亜麻仁油にも同じことが言えます。厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2015年)」も、過剰摂取による健康被害の回避を目的とされています。

亜麻仁油の適切な摂取量は、1日小さじ1杯=4g程度です。

これは、a-リノレン酸の推奨摂取量が1.6g〜2.4g、亜麻仁油中にはa-リノレン酸が約60%含まれていることからの計算になります。過剰摂取でカロリーオーバーになっては本末転倒になってしまいます。その代わりに、1日の摂取量は変えずに継続して摂取することが大切になります。

参考:亜麻仁油を食べるときの注意点と適切な摂取量

まとめ

亜麻仁油の副作用を避けるためには、酸化を確実に避ける、そして摂取量を守ることが重要だと分かりました。それには正しい使い方と保管方法が決め手となり、亜麻仁油の効果を最大に得ることができます。このように効果だけでなく副作用も理解し、亜麻仁油を正しくおいしく摂取することが健康な生活をおくるための秘訣になります。

亜麻仁油を選ぶときは、低温圧搾法(コールドプレス法)で丁寧に抽出されたもの、未精製のものがおすすめです。そのほうが、本来の栄養成分がそのまま活きるからです。初めての亜麻仁油であれば、未精製でなく精製されたものだと亜麻仁独特のくせがなく食べやすくなります。まずは、小さいサイズの亜麻仁油から試されてはいかがでしょう。

参考:亜麻仁油の成分と特徴