#characteristic

亜麻の花はどこでいつ見られるのか?

亜麻といえば、種子から絞って出来る亜麻仁油やリネン生地の原料として有名ですが、花もまた特徴的なのはご存知でしょうか?色は美しい青、小さな花が揺れるととても可愛らしいのですが、実は亜麻の花はとても儚いことで知られています。そこで今回は亜麻の花と、日本や世界で亜麻の花が見られる場所や咲く季節についてご紹介したいと思います。

亜麻の花について

亜麻の花はフサフサとした細いマッチ棒ほどの太さの茎の上に小さな花を咲かせます。その花が散ってしまうと種が入った実を結びます。亜麻は土を問わず栽培することができる強い植物です。種まきのシーズンは4月〜5月。その期間にまかれた種は3~10日程度で発芽し、2ヶ月ほどかけて成長。60cmほどの高さまで茎が育つと、その後に花を咲かせます。開花期間として2〜3週間は青い花が揺れる様を楽しむことが出来ますが、1つの花の命が短いことが亜麻の花が儚いとされる理由です。以下では亜麻の花の特徴や、見ることのできる季節を解説しています。

亜麻の花が見られる季節は?

4月〜5月に亜麻の種をまいて発芽してから1ヶ月半もするとグングンと背丈を伸ばし、60cmほどになります。それからまた半月経つ頃に細い茎の先に小さな花を咲かせます。亜麻の花が見られる期間は、2〜3週間ほどですが、1つの花を楽しめる期間が非常に短く、その日数はなんと約1日です。

しかも亜麻の花は朝日を浴び午前中に沢山の可愛いらしい花を咲かせたら、午後には散ってなくなってしまいます。とても短い命だからこそ貴重であり美しいのです。花を長く楽しみたい場合は花が咲き始めた頃に追肥を行うと長く楽しめるそうです。

亜麻の花は季節としては6月〜7月の初夏の季節に開花となります。亜麻に関連したイベントもこの期間に開催されることが多いです。特に亜麻の栽培が行われている北海道は、梅雨も無く、晴れやかで過ごしやすい季節に亜麻の花が咲くということもあり多くの方が亜麻のイベントに訪れます。ただ、この期間中でも注意したいのは見に行く時間帯。先述した通り、亜麻の花は午前中に咲いたと思ったら半日ほどでその花を閉じて散ってしまいます。そのため、昼過ぎに出掛けて行ったけれど、亜麻の花が見られなかったということもあり得ます。亜麻の花を見に行く際には午前中の早い時間からにしましょう。

参考:亜麻の花について 色や咲き方

日本で亜麻の花が見られる場所

乾燥に強く、暑さに弱い亜麻は寒冷地での栽培が適している亜麻は日本では北海道が栽培地となっています。この項目では日本で亜麻の花が見られる場所のご紹介をしたいと思います。

日本で亜麻の花が見られるのは北海道

現在亜麻は多くの国で栽培されており、特に寒冷地が栽培に適しているとされています。

日本では北海道での亜麻栽培が、明治初期、亜麻の茎から繊維を採るために始まりました。

軍需産業向けの繊維業として隆盛を極めた後に、化学繊維や海外産の亜麻に押され、生産が途絶えてしまいました。しかし、この歴史ある作物亜麻を北海道で再び…という地域活性化としての活動もあり、2001年、約40年という時を経て北海道当別町で亜麻栽培を復活させる活動が始まっており、北海道で亜麻の花を見ることが出来ます。

北海道の当別町は亜麻の花が見られる

北海道で亜麻の植物の栽培が行われている場所が北海道石狩郡当別町です。その他にも、伊達、檜山管内厚沢部町などで栽培されています。先の項目でも書いた通り、この地が北海道での亜麻栽培の復活の地であり、日本では長らく途絶えていた亜麻の花を見ることができる場所でもあります。

栽培方法を一から確立し、生産者は10年を超える長い期間をかけて農薬を使わない亜麻の栽培を実現しました。この長きに渡る苦労が報われ、現在では当別町にて「北海道亜麻まつり」と呼ばれるイベントも行われるようになりました。このイベントは1日のみ、亜麻の花が半日で散ってしまう特徴があるため、朝早くから始まって、昼過ぎは終了します。期間中は札幌をはじめ近郊より多くの方が訪れる一大イベントとなっています。

世界で亜麻の花が見られる場所

亜麻の栽培は世界中で広く行われています。理由は亜麻の種子は亜麻仁油と呼ばれる必須脂肪酸を持つ油となり、茎から摂れる繊維はリネンという独特の風合いが愛される生地になるからです。ここからは亜麻の産地と亜麻の花が見れる地域を説明したいと思います。

ヨーロッパは亜麻の産地

亜麻栽培は主に北米やヨーロッパなどで盛んに生産、消費されています。

特にヨーロッパでは化学繊維が台頭して来る前の18世紀後半から19世紀前半まで、亜麻布は衣料品だけでなく、タオル、テーブルクロス、ナプキン、シーツなど室内用品としても広く使用され、当時のヨーロッパでは繊維製品といえば亜麻製品といわれるほど普及していました。さらに辿ればヨーロッパでの亜麻繊維の歴史は古く、人類最古の衣料としても一大文化を築き上げ、現在までもファッションアイテムとしてその伝統を誇っています。

ヨーロッパで亜麻の花が見れる地域

亜麻の花が見れることで最も有名な地域はフランスのノルマンディー地方です。ノルマンディー地方は6月になると畑一面がフラックスの薄いブルーで覆われます。日本の北海道で見られる亜麻とは種類が異なり、背丈は1メートルほどあることが特徴となっています。ヨーロッパで亜麻の花を見てみたいという方は是非ノルマンディー地方を訪れてみて下さい。

参考:ヨーロッパとリネンの関わり

まとめ

亜麻の花を見られる機会は限られています。多くの人は亜麻の花を見ることが無いのではないでしょうか。限られた時期・限られた時間・限られた場所でしか見られない、可憐は青い花。寒冷地に育ち、人々の暮らしに役立つ様々なモノを提供してくれる強い植物と思われがちな亜麻の花としては余りにも繊細です。我々の生活の中にある、亜麻にはそんな繊細・可憐な一面があるということを覚えておいていただけると幸いです。

参考:亜麻の花言葉と誕生花