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綿とリネンをあわせた「コットンリネン」とは?

その名の通り、コットンとリネンの2つの素材を織り上げた生地のコットンリネンは、ナチュラルなおしゃれを楽しむ人の間で人気の素材です。実はこのコットンリネンの生地は、小物や洋服など、幅広いアイテムに利用されています。そこで、コットンリネンの良さを活かした生活を長く楽しむためにも、特徴や洗濯方法などを詳しくご説明します。

コットンリネンってなに?

日本で古くから愛されているコットンとリネン、この2つの素材で織り上げたコットンリネンという素材の名前を、聞いたことがない人もいるかもしれません。コットン生地やリネン生地のそれぞれの特徴を知ることで、コットンリネンはどのようなものなのかが理解できます。

コットンリネンとは?

コットンリネンは、天然素材の綿(コットン)と亜麻(リネン)の2つの素材で織り上げた生地のことで、優しくて爽やかな風合いが魅力の人気素材です。

コットンとリネンは異なった特徴や性質がありますが、それぞれの良いところを取ることで機能性も高まっていますし、扱いやすいところも魅力の一つです。使えば使うほど馴染んでいく質感は、ナチュラルな風合いを長く楽しめることでファンも増えています。

コットンの生地

コットンとは、綿の木綿の種から取れる白くてフワフワした部分のことを指します。非常に万能な素材でさまざまなアイテムに使用されているコットンは、繊維の長さや糸の太さ、織り方によって特徴が分かれます。繊維が短いものは糸が太めで毛羽があって柔らかく、繊維が長いものは糸が細めで滑らかで光沢感があります。そして、平織り、綾織り、繻子(しゅす)織りの3種類の織りを応用することで、色々な生地が出来上がります。

コットンには、下記の特徴があります。

・高機能吸水性があり、通気性が良いので年間を通して快適に使える。

・柔らかで肌触りがよく、最初からよじれを持っているので紡ぎやすく、用途に合わせた風合いが作りやすい。

・染色性や発色性に優れているので、思い通りの色を出しやすい。

・耐熱性に優れているので熱を当てても柔らかくなりにくく、アイロンが当てやすい。

・他の天然繊維に比べると値段が手頃で、用途に合わせた生地が選びやすい。

仕立てるのに向いている生地でもあるコットンは、身の回りのさまざまなアイテムに当たり前のように使用されています。

リネンの生地

リネンは、亜麻の茎を原料として作られた繊維のことを言います。繊維が詰まっている茎が原料のリネンは、柔らかな綿が原料のコットンとは違い、耐久性が強い天然繊維です。糸が太いほど生地も厚くなりますが、織り密度や組織によって生地の厚さや風合いが変わってきます。

リネンには、下記の特徴があります。

・吸水性や発散性に優れているので、汗ばむ季節も快適な肌触りが実感できる

・腰が強くて耐久性に優れているため、洗濯を繰り返しても負担がかかりにくく丈夫で長持ちする

・汚れが染み込みにくく、汚れがついても落ちやすいため、衛生的で幅広いアイテムに使用できる

・優れた通気性や保温性があり、四季に関係なく一年中快適に使える

・使えば使うほど肌に馴染み、発色や風合いを長期間楽しめる

ナチュラルな風合いが魅力で機能性が高いリネン生地は、暮らしの中に幅広く取り入れられています。

コットンリネンの特徴

機能性に優れた天然素材であるコットンとリネン、異なる2つの素材のいいとこ取りをしたコットンリネンには、どのような特徴があるのでしょうか。特徴をしっかりと理解することで、用途に合わせた快適でナチュラルな風合いをさらに楽しむことができます。

コットンリネンは汚れがつきにくい

リネンには、繊維をコーティングして汚れが染み込むのを防いでくれる成分のペクチンが含まれています。ペクチンの性質の効果で、汚れをつきにくく、そして、汚れがついたとしても落としやすいため、手入れがしやすいというメリットがあります。

汚れが落ちやすいので清潔を保てることから、雑菌の繁殖を心配する必要もありません。ただ、染料が染まりにくくて色落ちしやすい、というデメリットがあるのですが、コットンの特性がこのデメリットをカバーしてくれます。

肌ざわりが良く、吸収性や耐久性に優れいている

コットンもリネンも植物の繊維から生まれた天然素材で、どちらも吸収性や耐久性に優れています。コットンは耐久性に優れていることで知られていますが、リネンはコットンの2倍もの強度があり、水に濡れるとさらに強度がアップします。

水分を素早く吸い取ってくれるし通気性が良いため、洗濯を頻繁に行う必要があるデイリー使用には、最適な素材なのです。コットンリネンは、肌触りが良いところも特徴の一つです。強度がある糸で作られているリネンは爽やかさが魅力なのですが、チクチクした感触があるかもしれません。でも、柔らかさが魅力のコットンを混ぜ込むことで、爽やかさにふんわりとした優しい肌触りがプラスされているのです。

組成によって風合いが変わる

コットンリネンは、折り方や糸の太さによって生地の厚みや質感などが変わってきますが、組成も風合いに大きく影響するのです。コットンが多めの場合、ふんわり感があるしっかりとした生地になります。

シワが気になりにくくて型崩れにも強く、繰り返し着用することが多いTシャツなどに適しています。

肌触りがさっぱりして風通しがよく、乾きやすいところも特徴で、使うほどに柔らかくなる風合いの変化が楽しめます。このように、コットンとリネンの組成を変えることで、それぞれのいいところを引き立たせて、アイテムや用途に合わせた組み合わせができる点は便利ですよね。

衣類としてのコットンリネンとお洗濯

コットンリネンをファッションアイテムとして愛用している人もたくさんいますが、ファッションを楽しむためには季節感も大切です。そして、コットンリネンを長持ちさせるためにも、洗濯などのお手入れにも気を使いましょう。

コットンリネン素材を洗濯する方法

コットンリネン素材の洗濯は、洗濯ネットに入れて行うことをおすすめしますが、手洗いをするとさらに長持ちします。使用する洗剤は中性か弱アルカリ性を使い、色物の場合は、最初の数回は色移りするため、他の物と分けて洗います。

長時間の脱水はシワになりやすく型崩れする可能性もあるため、脱水時間が短いおしゃれ着洗いなどのコースを選択しましょう。乾燥機は生地が縮む原因となるため、使用は避けてください。そして、紫外線に長時間当たることで色ムラができる可能性があるため、陰干しをします。リネンが混合されているコットンリネン素材は速乾性に優れているので、陰干しでもすぐに乾いてくれます。

参考:リネン生地の正しいアイロンのかけかた

コットンリネンの衣服は夏向き

コットンリネンは通気性が高くて素早く汗を吸収、発散してくれるという特徴があり、高温多湿な時期にはおすすめの素材です。サラッとした肌触りのコットンリネンは、夏でも風通しが良くさらりと着こなせるので、暑い夏でも爽やかに過ごすことができます。

アイテムやコーディネートによっても異なりますが、コットンリネンを着る機会が多いのは、4月上旬から9月上旬までが目安となるでしょう。リネンは保温性に優れている素材でもあるため、機能面だけからみれば、冬の寒い時期に着用するのは変だという訳ではありません。しかし、コットンリネンは寒々しいという印象があるため、季節感がない印象になってしまいます。ファッションは見た目の季節感も大切ですから、秋冬に着るのは避けるのが無難です。

まとめ

コットンリネンは、コットンとリネンのそれぞれのいいところを取った、汚れがつきにくくて吸収性や耐久性に優れた、使うほどに馴染んでナチュラルな風合いが楽しめる生地です。配合率によって風合いが変わる素材でもあり、用途に合わせて最適な組み合わせができるところも魅力です。正しい方法で洗濯をすることで、独特の風合いを長く楽しむことができるでしょう。爽やかで風通しが良く、季節感もあるコットンリネンを、暑い夏を快適に過ごすアイテムとして、暮らしの中にぜひ取り入れてみましょう。

参考:リネンで楽しむ刺繍と生地の選び方