
亜麻仁油は、オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれていることで話題の油です。体では作れないオメガ3を積極的に補うことは、健康づくりにおいてとても重要です。しかし、毎日の食事の中でどのように取り入れたらいいのか、悩んでしまう人も少なくありません。そこで、亜麻仁油の味や、おすすめの食べ方をご紹介します。
亜麻仁油とその味
オイルの栄養価が見直され、健康効果が高いことで注目されている亜麻仁油。毎日の食事で上手く取り入れるために、亜麻仁油とはどのようなものなのかを知っておきましょう。
亜麻仁油はなぜ注目されているの?
亜麻仁油は、亜麻という植物の種子から採取された透き通った金色のオイルで、オメガ3脂肪酸のα~リノレン酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は、健康な体を維持するために必要な成分なのですが、体内で生成できないため食事から摂取しなければいけません。
亜麻仁油は、構成されている脂肪酸の60%近くがα~リノレン酸なので、オメガ3脂肪酸を効率よく補えることで注目されているのです。
厚生労働省が推奨している1日当たりのオメガ3脂肪酸の摂取量は、成人男性2.0?2.4g、成人女性1.6?2.0gとなっていますが、亜麻仁油であれば、小さじ1杯程度を摂るだけで1日分の量が補えます。アレルギー性疾患の改善、脳細胞の活性化、動脈硬化や心筋梗塞などの予防、アンチエイジング、などの効果が期待できるオメガ3脂肪酸は、健康維持のために積極的に摂りたい成分です。
亜麻仁油の味は?
現在では多くの種類の亜麻仁油が販売されていますが、独特の苦味があり、亜麻仁油をそのまま食べるのはクセが強すぎて苦手だという人も少なくありません。
しかし、独特の苦味やクセがある亜麻仁油は、栄養素を多く含んでいる低温圧搾法で製造されたものが多いのも事実です。
逆に、無味無臭の亜麻仁油は、化学的な精油法で製造されている油の可能性があり、栄養価がほとんど期待できないかもしれません。最近は、製法も進化していますから、においやえぐみなどを感じにくい商品も沢山あります。製法によって味に違いが出るため、複数の亜麻仁油を食べ比べたり、製法(特に圧搾方法)を確認して、自分に合った物を選ぶのもおすすめです。それに、食べ方を工夫すれば、独特な味が気になる人も抵抗なく食べられます。
亜麻仁油の食べ方
亜麻仁油は熱に弱いという性質があるため、加熱調理をするとα-リノレン酸が壊れてしまいます。栄養効果を得るためには、生のまま摂取するのが大切なポイントです。毎日の食事にプラスするだけで、気軽に摂取できる食べ方をご紹介します。
亜麻仁油をかけて食べる
亜麻仁油は、いつもの料理にかけるだけで、簡単に摂ることができます。おすすめは、ドレッシング等と一緒にサラダにかけて食べる方法です。
サラダのドレッシングとして用いることで、熱することもなく、栄養素を効率よく摂取できます。またドレッシングの味と合わさることで、独特の苦味も少し緩和されます。
そうめんやざるそばといった冷たい麺を食べる時にかけても、そばつゆの味と混ざることによってクセが少し和らぎます。簡単メニューの一つの冷奴にかければ、いつもと違う洋風タイプでおしゃれな味が楽しめます。食べやすさを考えて、少しずつかけて味を確認しながら試してみましょう。
亜麻仁油をまぜて食べる
料理や調味料にまぜる方法も、亜麻仁油が手軽に摂れる食べ方です。
亜麻仁油が苦手な人や亜麻仁油を初めて食べる人でも抵抗がない食べ方が、納豆にまぜる方法です。
納豆自体がにおいが強くてクセがあるので、そこに亜麻仁油をプラスしても味は大きく変わりません。その他、ディップソース、マリネなどに、サラダ油の代わりにまぜてみてください。サラダ油などとは違う少しクセのある味がアクセントになって、いつもと同じ料理なのに違った風味が楽しめます。和え物やおひたしに数滴混ぜるだけでも良いかもしれません。
亜麻仁油をそのまま食べる
これは、サプリメントのように亜麻仁油だけをスプーンにとって食べる方法で、亜麻仁油が好きな人や味に慣れている人にはおすすめです。毎日定期的に摂取することで、健康効果をさらに高められるでしょう。クセが強い物や、苦味が少なくてまろやかな味に仕上げてある物など、亜麻仁油にはいろいろな種類がありますが、どれも多少なりとも独特の風味があります。
亜麻仁油が好きな人にとっては、味の比較ができてお気に入りを見つけることもできる、亜麻仁油本来の味が楽しめる食べ方です。
亜麻仁油と相性の良い食品
加熱調理をするとα-リノレン酸が壊れてしまう亜麻仁油は、高温で調理をする揚げ物や炒め物には向いていません。栄養価を損なわずに摂取するためには、調味料感覚で料理に取り入れるのがおすすめです。栄養的にも相性の良い食品と食べ方を紹介します。
亜麻仁油と豆腐でヘルシーバランス栄養食に
器に盛った豆腐に塩を少々振って、万能ネギ、カツオ節、生姜などの薬味をのせ、小さじ1?2杯程度の亜麻仁油をかけます。豆腐には、脂質代謝を高めてくれる効果のあるレシチン、脂肪の蓄積を防いで活性酸素の働きをサポートしてくれるサポニン、女性ホルモンと似た作用が期待できるイソフラボンが含まれています。
健康維持など、さまざまな効果が期待できる機能性成分が豊富に含まれている豆腐は、コレステロールや中性脂肪が気になる人におすすめです。
亜麻仁油のα-リノレン酸をプラスすれば、さらにバランスの良い健康食になります。もう一品欲しいという時にも、すぐに作れるレシピです。
亜麻仁油サラダでサラダの効能をアップ!
前述もしましたが、サラダとの相性は栄養的にも抜群!食べやすくカットしたレタスやトマト、キューリなどのお好みの野菜をボウルに入れて、小さじ1?2杯の亜麻仁油をからめ、塩コショウを少々入れたワインビネガーを加えて混ぜます。オイルとビネガーの組み合わせは、栄養素の吸収力をアップしてくれる効果がありますし、ワインビネガーの酸味が亜麻仁油の苦味をまろやかにしてくれるので、クセも気になりにくいはず。
トッピングとしてサラダにいろいろな食材を加えれば、さらに高い健康効果が期待できます。
高血糖対策が期待できるマグネシウムが豊富なアーモンド、スーパーフードのキヌアやケールなど、なんでも加えてみましょう。ゆで卵やささみ、チーズなどのタンパク質を入れれば、バランスが取れたボリューム満点のサラダが出来上がります。
亜麻仁をスムージーに入れて健康ドリンクを
根を落としたサラダほうれん草1/2把、皮と種を除いたリンゴ1/2個、豆乳300ml、亜麻仁油小さじ1?2杯をミキサーにかけ、全てがよく混ざったら出来上がりです。
ほうれん草などの緑黄色野菜は、抗酸化作用やコレステロール値を下げてくれる作用、デトックス作用など、そして、ビタミンCが豊富な果物は、紫外線ケアや美肌効果が期待できます。
さまざまな野菜や果物を組み合わせることで多くの栄養成分が摂取できる、朝食代わりとしても飲みたいメニューです。組み合わせ次第で何通りものスムージーが作れるので、飽きずに毎日飲めることでもおすすめです。野菜や果物の甘みがあるので、亜麻仁油の苦味はさほど気になりません。
まとめ
健康維持に重要なα-リノレン酸が豊富な亜麻仁油は、健康や美容のために毎日積極的に摂りたいオイルです。とはいえ、亜麻仁油に慣れていない人や独特の苦味やクセが苦手な人にとっては、そのまま食べるのは抵抗がありますよね。
そのような人でも手軽に摂れる方法として、普段の食事にかけたりまぜるなど、毎日食べるものに亜麻仁油をプラスしてみてはいかがでしょうか。1日小さじ1杯程度で十分に効果が期待できる亜麻仁油が、味を気にせず美味しく食べられるおすすめの食べ方です。自分に合う食べ方をみつけて、美容と健康づくりに役立てましょう。